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No.4 ゲス 前



お待たせしました

まずは前編です

長い間放置していたので(すみません)いきなり書き方が変わったりしています
きにしちゃあかん







カツン…カツン…。
暗い廊下に自分の足音だけが響く、が自分の耳には今にも張り裂けそうな心臓の音がドクドクと響いていた。自分は今3階の渡り廊下歩いている。その足取りは全力で走った所為かふらついていて、素直に前には進んでくれない。振り向いて、背後の様子を窺うと豹変した聡美が追ってくるようなことは無かった。その事にひとまず安心したが、自分の元にいないということは他の誰かの許に行ったという可能性もある。まだ完全に安心はできない。疲労から荒くなった呼吸を整え、改めて周りを見渡す。

和斗「暗いな」

停電の所為で電気に光はひとつたりとも灯っていない。携帯を取り出し時間を確認する。17時32分。秋のこの時間はだいぶ外が暗い。とくに今日は曇りであるためいつにもましてあたりが暗く感じる。いや、暗く感じるのも仕方ない。古来より人間と言う生物は暗闇に恐怖を感じるものだ。こんな状況下に置かれては普段ならなんともない暗闇ですら恐怖を感じる。やたらと背後を気にしてしまうのはその所為であろうか。こういう時は1人よりより2人だ。誰かを呼び出そう。
時間を確認してから持ちっぱなしにしていた携帯の電話帳を開き、目当ての人物を探し出す。ちなみに登録してある名前は『ザコ』だ。耳に当てると無機質なコール音が聞こえる。いつもなら2コール内には出るのだが今回はなかなかでない。普段なら怒って切るところだが今日はなぜだかなんとも感じなかった。無感情のまま鳴り響くコール音をずっと聞いていた。

守『も…もしもし?』

涙声だった。そういえばさっきすごい声で叫んでいた気がする。

和斗「おい、お前1人か?」
守『そうですけど』
和斗「1人で行動するよりも2人で行動するほうが安全だ、合流するぞ」
守『は、はぁ…あっ!もしかして心配してくれたんですか?』
和斗「貴様は囮だ、下らないことをほざいている暇があるなら早く3階に来い」
守『えぇ!?そn』

まだ何か言っているような感じだったがかまわず切った。これで自分を守るための保険ができた。とりあえず、あいつが3階までくるのを気長に待つだけだ。どれくらいでここまでくるだろうか、そう考えていたらブルル、とバイブがなった。突然のことに少し驚きながらも画面を覗くと、メールが届いたことを知らせていた。

From:チビ
職員室に鍵がひとつも無い
情報求む

簡潔なメールだった。きっとそれほど焦っていたのだろう。鍵がひとつも無いというと、教室に入ることができないと言うことだろうか、それにしては逃げてくるときにいくつか扉が開けっ放しにされている教室があった気がする。

和斗「…どうでもいいか」

とりあえず昇降口の鍵さえ見つかれば帰れるだろう。



椿「見事にバラバラになってしまいましたね」
京子「ああ、みんな無事だといいんだけど」

1階と2階の両方を高さで占領している視聴覚室。その広さはほかの教室よりも高さも広さも大きい。防音の扉はその名のとおり音を防ぎ外に聞こえることは無い。その代わりにとても厚く重い。私はそんな扉を片手でおさえ、あいた細い隙間から外の様子を窺っていた。

椿「きっと無事ですよ…」

椿がまるで自分に言い聞かせるかのように呟いた。自分で言うのもなんだが、本当はその可能性は低いと思っている。きっとあれは聡美じゃない。真実は分からないが自分はそう確信している。だったらあれは何だ?

椿「あれ?」
京子「どうした?」
椿「いや、今東也さん…」
京子「えっ、どこだ?」
椿「いえ…角を曲がってしまいました」

椿はそう言って少しはなれた曲がり角を指差した。あの先には階段があったはずだ。ここを通ったのなら声をかければよかった。あんな男でも人数が多いほうが心強い。椿も何も言っていないが、内心はかなり不安なはずだ。誰もいなくなった廊下は足音すら聞こえない。

東也「よっ!!」
京子・椿「きゃああ!!」

急に背後から声が聞こえた。吃驚して後ろに振り向くと、そこにはさっき階段を上って行ったはずの東也がいた。急に大声をあげたことに驚いたのか眼を見開いたまま固まってしまっている。

東也「ご、ごめん」
京子「お前、どっから入ってきた?」
東也「どこからって二階側の扉からだけど」
椿「2階の扉ってそこですか?」

椿が2階へ出入りのできる唯一の扉を指差した。そこには1階のものと同じ、赤い皮でデザインされた防音性の重厚な扉が重々しい雰囲気で鎮座していた。

東也「そこ以外どこがあんのよ」

東也はさも当然のことのように言った。いや、実際に当然のことなのだ。だって二階の扉はその場所にしかないのだから。だが、私たちにとってはその出来事は当然なんかで片付けられることではなかったのだ。
先ほど東也が上っていった階段は第一校舎(西校舎)側へでる。その先は廊下になっており、だいたい30メートルほど先へ進むと一階と三階へ移動するための階段と、ほかの校舎に渡るための渡り廊下へとつながっている。
2階へあがり、廊下を進み、渡り廊下を渡ってまた廊下を進み、ドアを開ける。
ちなみに視聴覚室は第五校舎(中心の校舎)に存在している。
はたして、つい二、三十秒前に目撃した人間がこの距離を通ってこの場所に現れることはできるのだろうか。
私にはできると思えない。

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2013年09月05日 | original-校内鬼ごっこ | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

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