スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--年--月--日 | スポンサー広告 | とっぷ

No.3 下↓ 前


都合により、前後に分けてます。


新登場人物

桐ヶ谷 和斗(きりがやかずと)
星野 守(ほしのまもる)
若葉 椿(わかばつばき)
井々口 明(いいぐちあかり)
餅田 拓行(もちだたくゆき)


由衣「それにしても遅いな。」

集まったメンバーが自由気ままに暇つぶしをしている中、由衣がポツリと呟いた。
その言葉に数人が振り向く。

和斗「異空間にでも飲み込まれたんじゃねえの。」
東也「マイペースにしても遅いよね。」
守(どうして誰も、ツッコまないのかな…。)

心の中でそっとツッコんだ守であった。

時刻は午後5時15分。全員がこの場に集まったのが5分で、拓行たちの掃除場所は3‐Aの教室。あそこからここまでくるにしてもそう長くはかからないはずだ。なにかあったのかだろうか…。あの2人はそこまで時間にルーズなはずではないのだが。…いや、拓行はマイペースな方だった。
会話を聞いていた皆が、2人を心配し始めた。こんな予期せぬ停電が起こったのだから、不安になってもおかしくはないだろう。

椿「あの…。」

そんな中、椿が控えめに挙手をした。

椿「電話してみてはどうでしょう。」

おもわず、全員の口から「あっ」という声がもれた。そうだ、心配なら連絡をすればいい。停電のことで頭がいっぱいになっていて、すっかり携帯の存在を忘れていた。
自分のズボンのポケットから携帯を取り出し、拓行に電話をかけ始めた。
ワンコール…ツーコール…と音が響く。なぜか拓行はなかなか電話に出なかった。
その音に気づいたのか、明がこっちに振り返った。

明「あぁ、ゆずるが連絡とんの?」

その質問に声は出さず、頷いて答えた。
しばらく、待っていても拓行はでなかった。もう切ってやろうか。そう思って、通話を切ろうとボタンに指をのせたときだった。

拓行『もしもし?』

繋がった…。

ゆずる「テメー…もしもしじゃねぇよ。」
拓行『えー。あー、マナーモードにしたままやってん。』
ゆずる「ちっ。つーかお前遅いんだよ。メールしたんだからすぐに来いよ。」
拓行『せやからごめんって…。ていうか舌打ち…。』
ゆずる「いいから。今すぐこっ」

ブツッ!!ツー…ツー…

ゆずる「あいつ切りやがった!!」

携帯を耳にあてても、もう拓行の声は聞こえない。人の話を聞かない拓行にどんどん怒りが湧いていった。

ゆずる「んだよっ!!あいつっ!!」
明「ゆずる。」

碇を言葉にして、キレはじめた所で明に呼ばれた。その表情はなんだか心なしかニヤニヤしていて、見るとさらにむかついた。
むかついたからこいつに八つ当たりしてやろう。そう思って、指をボキボキとならしながら明に近づいた。だが、いつもならここで多少の焦りを見せるはずの明だが、なぜだか未だにニヤニヤしっぱなしだった。

ゆずる「お前、何でそんなにニヤニヤしてんだよ…。」
明「えー?なんでかな?」

むかつく!!やっぱこいつ殴ってやろう。右手を握り、体の後ろへ引いた。狙うは腹だ。
まさに殴ろうとしたそのときだった、自分の後ろにふと気配を感じた。さっきまでは何も感じなかったのに…。「えっ?」と思い、殴るのをやめて後ろに振り向こうとしたその瞬間。ひざ裏になにかがとんっと当たった。そのまま足から力が抜け、ひざからその場に崩れ落ちた。
いわゆるひざかっくんである。
そして後ろにいたのは、さっきまで電話をしていた拓行だった。

拓行「よっしゃぁ!!ゆずるくん隙だらけやな!!」
ゆずる「てめええええええっ!!」
明「あはははははっ!!」

拓行がやりきったという感じにガッツポーズをした。明は腹を抱えて笑い転げている。どうやら明は後ろから拓行が近づいてくるのが見えていたらしい。だからあんなにニヤニヤしてたのか…。

聡美「すみません、遅れてしまって。私がお手洗いに行かせてもらってて…。」

聡美が深々と皆に頭を下げた。周りからは「いーよ。」とか「大丈夫。」とか声があがった。別に遅いから怒るということはなかったのだろう。自分も今は遅れたことに対してよりも、ひざかっくんを仕掛けてきたことに怒りが向いていた。

拓行「ところで、秋葉くん。」
葉呂「何?」
拓行「みんな集めてどうするつもりなん?」

拓行が秋葉に尋ねた。確かにそうだ、停電だからみんな集まったにしても、これから何をするつもりだったのだろうか。自分にはなにも思いつかないが…。
秋葉は「えっ?」と声を出したあと、 考える仕草をしながらいった。

葉呂「考えてなかった☆」

周りがシーンと静かになった。

和斗「ふざけてんのか?」

その静寂を桐斗が破ったかと思えば、

京子「てめえ!!ふざけんなっ!!」

と、華聖の華麗なとび蹴りが飛んできた。

葉呂「うわぁ!!危なっ!!」
京子「よけんな!!」

それをすぐさましゃがんでよけた秋葉は、水樹の背中に隠れた。華聖はそれに構わずもう一度蹴りをしようと構えていた。

水樹「待って待って!!このままじゃおれ死んじゃう!!落ち着いて――!!」
京子「歯食いしばれ!!」

「オウフッ!!」という水樹の叫びがホールに響いた。



それからしばらく全員で話し合い、結局もう掃除を止めて帰ろうという話になった。皆がホールを離れて、玄関まで移動し寧々が扉を開けようとドアノブをつかみ、押した。
が、扉は開かなかった。寧々がいくら押しても引いても、ガチャガチャと音をたてるだけで、開くことはなかった。どうやら鍵がかかっているらしい。

寧々「開かない…。」
ゆずる「鍵がかかってるけど。」
明「でも、生徒がいるのに鍵をかけるはずないですよね。」

三人で顔を見合わせた。そうだ、生徒がまだ掃除していることは分かっているはずなのに鍵をかけて教師は皆帰りました、なんてあるはずがない。あったとしたら、結構重大なミスになる。この学校の信用はがた落ちだ。
でも、扉があかないことは事実だった。三人でうんともすんとも言わない扉を眺めていること、後ろのほうでガターーンッ!!という大きな音がなった。まるで二階から机でも落としたかのような、とにかくすごく大きい音だった。驚いて、おもわずビクッ!!と肩を跳ね上げる。なんだと思い、おそるおそる後ろを振り向くと。
水樹、東也、華聖、椿、爽という聡美を抜いたyouthのメンバーが窓の前に並んで立っていた。手に椅子を持って。

ゆずる「何してんの?」

いったい何をしているのか…。呆れながら5人に近づいて聞くが、答えは返ってこなかった。

ゆずる「おい、聞いてんの?」
水樹「……。ゆずるくん、これ見てよ。」
ゆずる「はぁ?」
水樹「あず。もっかいやって。」
東也「ん?ああ…。離れてて。」

やけにおとなしい、5人を少し不気味に思いながらも、その言葉に従いそこから離れた。
すると、東也がいすを持ち上げ、何を思ったのか窓に向っておもいっきり振り下ろした。

ゆずる「おいっ!!そんなことしたらっ!!」

割れる。そう言おうとしたが、その言葉は口から出ることはなかった。
ガターーンッ!!そう音をたてて落ちたのは椅子のほうだった。

ゆずる「どういうことだよ。」

窓には傷一つつくことはなかった。東也が振り下ろした椅子はたしかに窓に直撃したはずだった。でも、椅子は窓に跳ね返された。

和斗「普通じゃないな。」
由衣「ありえないだろ。普通…。」

ザワザワと騒がしくなる。もしかしたらここから出られないんじゃ…。そう思ったとき、

「そう。あなたたちはここから出られない。」

そう答えたのは聡美だった。


スポンサーサイト

2012年09月15日 | original-校内鬼ごっこ | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

コメント

コメントの投稿



管理者にだけ見せる

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。